ヤマハ・モーター・ヨーロッパが継続しているプロジェクト”Yamaha Yard Build”をご存知の方も多いことでしょう。ヤマハ・モーター・ヨーロッパが、一般ライダーに対するプロモーション活動の一環として行っているもので、有力カスタムビルダーさんと協力して、カッコいいカスタムバイクを作っている、アレでございます。

で、今回ご紹介するのは、そんな”Yamaha Yard Build”の一台として追加された車両なのですが、いわゆる掟破りな一台となっているのです。

 

Sultan of Spirit の覇者が目標!

それが今回ご紹介する「XSR700」のカスタム車両、と呼んで良いのかどうか……ベルギーの”Workhorse Speed Shop”が制作したコチラのスプリントレーサー。通常の”Yamaha Yard Build”では、フレームの大改修などは禁止していて、一般バイカーがカスタムの参考にしたくなるような車両として制作されているのですが、本車両では、ヤマハ・モーター・ヨーロッパ自身がお墨付きを与え、その禁を破っての大改造が施されました。

と申しますのも、本車両はヨーロッパで人気のドラッグレース”Sultan of Spirit”の覇者となるべく制作されたのです。その”Sultan of Spirit”というのが、近年ヨーロッパの趣味のモーターサイクルレースが追求する”速さと美しさの両立”を実現した車両で競われるスプリントレース。本車両が参戦するファクトリークラスはカスタムのオリジナリティも審査されます。そしてスポンサードするメーカーの関係とレギュレーションにより、参戦できるのはBMWモトラッド「R nineT」やIndian「Scout Sixty」などのほか、ヤマハ「XSR 700」、トライアンフ 「Thruxton」といった車両となっています。

 

Work House Speed Shopが制作!

さて、いよいよ本車両の詳細について。まずは「XSR700」からはかけ離れた、ロー&ロングのシルエットに目を奪われます。これこそが、ドラッグレーサーの証と言えましょう。

メインフレームは大胆にカットされ車高は150mm低くされたうえ、”Workhorse Speed Shop”オリジナルのスイングアームの装着によりホイールベースは100mm延長されています。それと共に、ステップも後方に移設されています。

 

そしてフルアルミで制作されたボディワークはと言うと、1985年のフランス・ボルドール24時間耐久にて20時間もの間トップを快走した、クリスチャン・サロンの「SONAUTO YAMAHA FZR750」へのオマージュとされています。

その見事なボディワークの向こうには……「なんじゃコリャっ?」っていうサイズの吸排気系が見えています。それもそのはず!

 

本車両のエンジンは上述のレギュレーションにより、参加車両中クラス最小排気量なのですが……なんと、ご覧のようにNOSシステムを搭載しているのです!コントロール・ユニットはNOSコントローラーの最高峰と言われる”Max Extreme”製品がセレクトされているそうです。

また画像こそ公開されていませんが、(まぁNOSキットを組んでいるのだから当たり前と言えますが……)エンジンは全バラにされたうえ、クランクシャフトのバランシング、オイル経路の見直し、そしてカウンターウェイトの追加も実施されたそうです。

 

さらに、詳細不明ですが、カーボンバッテリーなるものを搭載しています。コレって、暫く前に日本の独立研究開発法人が開発したと発表した、リチウム空気電池とは違うものとは思うのですが……

単にバッテリーケースがカーボン製なのでしょうかね?

 

その他、”Suter”製アンチホッピング・クラッチやインジェクション・ボディが採用されているほか、レーシングブレーキシステム&クラッチコントロール・前後マスターシリンダーが装備されています。

 

年間シリーズ戦に参戦中!

いかがでしたでしょうか?今回は、ヤマハ・モーター・ヨーロッパが、禁じ手とも言えるフレーム&エンジンの大改修を許した珍しい”Yamaha Yard Build”の一台、”Workhorse Speed Shop”が制作したスプリントレーサーをご紹介してみました。

ちなみに本車両が参戦している”Sultan of Spirit”ファクトリークラスは年間シリーズになっておりまして、現在も参戦中です。面白い情報が入りましたら、追って続報を打ちたいと思います。

 

参考-Yamaha Motor Europe